日頃から体重を気にしている人は多いかもしれませんが、筋肉量まで考えている人は少ないかもしれません。ここでは、筋肉量の定義、筋肉量の平均はどれくらいか、筋肉量を増やす方法などを詳しく解説していきましょう。
筋肉量と筋肉率は違う?
私たちの身体は、筋肉、脂肪、骨、水分で構成されています。筋肉は、心臓などの内臓を動かしたり、姿勢を維持したり、さまざまな働きをしています。私たちは、筋肉があるからこそ生きているのです。
健康な生活を送り、美しい体を手に入れるためには、適度な筋肉が必要なのです。そのためには、まず、自分に必要な筋肉の量を知る必要があります。そこで便利なのが、筋肉量と筋肉率です。
筋肉率とは、体内の筋肉が占める割合のことです。
年齢別に見た筋肉率の平均
以下が年齢別に見た標準の筋肉率の平均値です。
男性 | 女性 | |
20代 | 44% | 39% |
30代 | 37% | 37% |
40代 | 34% | 33% |
50代 | 31% | 30% |
60代 | 29% | 26% |
70代 | 25% | 23% |
平均値を見ると、性別に関係なく、年齢とともに筋肉の割合が減少していることがよくわかります。
加齢に伴う筋肉の減少は、ある意味、自然な現象です。
筋肉量50kg=筋肉量が減ってしまう理由とは?
ここでは筋肉量が減ってしまう理由について解説していきます。
運動不足
筋肉量は、鍛えれば鍛えるほど増え、使わなくなると減っていきます。長い入院生活で足が細くなった経験のある人もいるのではないでしょうか。日頃から十分な運動をしていると自信を持って言える人は少ないでしょう。
年齢が上がるほど筋肉量を増やすことは難しくなるので、定期的に運動して筋肉量を増やすことが大切です。運動不足や加齢により筋肉量は減少しますが、定期的な運動で回復させることができます。高齢者の方は、筋肉量を維持するために、筋力トレーニングに力を入れる必要があります。
そうしないと、長期間の運動不足によって脂肪の蓄積量が増え、筋繊維が破壊されて筋肉量が減少します。これは、座りっぱなしのライフスタイルにつながり、不健康な体重増加や慢性疾患のリスク増加など、さらなる問題を発生させることになります。
これを防ぐには運動を定期的に行うことに重点を置くことが重要です。
食事や栄養が足りていない
筋肉の成長には、十分な栄養、特にタンパク質が必要です。せっかく運動しても、必要なタンパク質が取れていなければ、筋肉はつきにくくなります。
ダイエットのために炭水化物や脂質を控えると、タンパク質をエネルギーとして使ったり、筋肉を分解してエネルギーにするため、どんどん筋肉量が減ってしまいます。
健康的な減量への近道は、しっかり食べることです。タンパク質は種類によって体に与える影響が異なるため、様々な種類のタンパク源を食べることがとても大切です。
プロテインもあり、一般的な食事と比較して、より多くのタンパク質を摂取することができます。
加齢
筋肉量は20代までは増加しますが、その後急速に減少し始めます。特に50代以降は減少傾向が顕著になります。
何も対策をしなければ筋肉量はどんどん減っていくので、ウォーキングやジョギングなど定期的に運動する習慣をつけることが大切です。年齢を重ねると、日常生活でも運動量が減少するため、意識的に体を動かすようにしましょう。
筋力は、生活における他の資質と同様に、維持しなければならないものであり、意識的に努力しなければ低下していきます。
そのため、筋肉量を維持するためには、有酸素運動だけでなく、レジスタンストレーニングを中心とした運動習慣を選択することが不可欠です。
定期的な運動習慣は、筋肉量の減少を食い止めるだけでなく、徐々に体力をつけ、維持することにもつながります。
筋肉量から筋肉率を求めるには?
筋肉率は、人体の筋肉量が全体の体重に占める割合を示します。筋肉量から筋肉率を求めるには、以下の計算式を使用します。
筋肉率 = (筋肉量 ÷ 体重) × 100%
例えば、体重が70kgで筋肉量が40kgの場合、筋肉率は以下のように求められます。
筋肉率 = (40kg ÷ 70kg) × 100% = 57.14%
つまり、この人の体重の57.14%が筋肉で構成されていることになります。
ただし、筋肉量は体脂肪率や身長、性別、年齢などによって変化するため、正確な筋肉率を知るにはこれらの要素を考慮した計測が必要です。
筋肉量50kg=筋肉量の増やし方
ここからは筋肉量の増やし方について解説していきます。
筋肉量も筋肉率も低い人
日頃から運動する習慣がないと、筋肉量も筋肉率も低くなります。このような人は基礎代謝が低いので、生活習慣病のリスクが高まる可能性があるでしょう。運動習慣のない人がいきなりハードなトレーニングを始めると、体を壊す可能性があるので、少しずつ慣らしていくことが大切です。
まず、基礎代謝を向上させるために、筋肉量を増やす必要があります。ランニングや縄跳びなどの有酸素運動がおすすめです。また、有酸素運動だけでなく、筋力トレーニングなどの強化運動も、筋肉量を増やすだけでなく、筋力をつけるのに有効です。
さらに、複数の筋肉を同時に鍛える複合運動を中心に行うと、より多くのカロリーを消費し、より大きな筋力を身につけることができます。
さらに、有酸素運動能力を高めるには、激しい運動と低強度の回復を交互に繰り返すHIITワークアウトが効果的です。このような運動で下半身の筋肉を増やすことで、基礎代謝を向上させることができます。
基礎代謝が上がれば、自然と脂肪も落ちていきます。また、自宅でスクワットなどの筋トレをするのも非常に効果的です。
筋肉量は少ないが、筋肉率は高い人
筋肉量が少なく、筋肉率が高い人は、体脂肪量が少ないため、痩せ型になります。このタイプは基礎代謝が低いため、暴飲暴食を繰り返したり、運動をしなくなると急激に太ってしまうことがあります。そのため、筋肉量を増やすためには、ある程度太ることを意識してもらう必要があります。
一回の食事で多くの量を食べられない場合は、食事の回数を増やすことをおすすめします。これは、1日の摂取カロリーを計算し、それを少量の食事に分割し、回数を増やすことで実現できます。
一日に何度も食事をすることで、体に必要な栄養素を補給し、筋肉の発達を維持するために必要なエネルギーを供給することが可能です。
また、食事の回数を増やすことで、胃や腸の負担を減らし、栄養を効率よく吸収することができます。ランニングなどの有酸素運動は代謝を高める効果があり、筋力トレーニングなどのレジスタンストレーニングは体の部位を狙って筋肉量を増加させることができます。
筋肉量は多いが、筋肉率は低い人
筋肉が発達しているが、脂肪も多い相撲取りタイプは、筋肉の割合を増やすようなトレーニングが必要です。そのため、有酸素運動を中心に行い、脂肪をどんどん燃焼させることがおすすめです。脂肪を燃焼させることで、徐々に体が引き締まり、体脂肪率を下げて、理想的な体型に近づくことができます。
脂肪減少の目標達成を確実にするために、力士のような人は、筋肉量が多く、体脂肪が多いといった体格特有のニーズを理解することからトレーニングを始めるとよいでしょう。
有酸素運動だけでは、脂肪と同じように筋肉も燃えてしまうので、有酸素運動と無酸素運動の組み合わせが必要です。
また、このようなタイプの人は、食事からの摂取カロリーが多すぎる場合もあるので、食習慣を見直すことで脂肪を減らせる可能性が高くなります。
筋肉量50kg|男女別、年齢別の筋肉率の平均と筋肉量の増やし方【まとめ】
どれくらいの平均筋肉量かは、性別や年齢によって異なります。今回紹介した計算方法を使えば、自分の筋肉量がだいたいわかります。
現在の筋肉量が分かれば、それに応じたトレーニングで筋肉量を増やすことができます。何も対策をしなければ、加齢とともに筋肉量はどんどん減っていきます。
また、運動不足や栄養不足も筋肉を減らす大きな原因です。座りっぱなしの生活は、複数の悪影響を及ぼし、加齢に伴う筋肉の減少を加速させます。
運動、特にレジスタンストレーニングを行い、バランスのとれた食事を心がけることで、筋肉を維持しやすくなり、筋肉量の減少を遅らせることができるという研究結果が出ています。
これらを実践すれば、いくつになっても理想的な体型を維持し、活動的な生活を送ることができるはずです。