ダークウェブという言葉をご存じでしょうか。近年、話題になっているインターネット関連の言葉です。
週刊少年ジャンプのルフィや孫悟空を名乗った人物がSNSで実行役に指示して特殊詐欺事件などに関わった日本（japan）の事件でも注目されています。
今回はダークウェブとは何か、違法なのか、危険性はあるのかについて説明します。
ダークウェブとは何か
ダークウェブ、直訳すると暗黒のウェブサイトです。何だか怖いイメージですね。確かにダークウェブは犯罪に使われることも多いです。怪しいモノや情報は頻繁にやりとりされています。
しかし、ダークウェブも一般のインターネット、ウェブサイトと基本的には同じです。ダークウェブ、簡単に言えば検索エンジンでは見つけられないサイトです。
ググるという言葉の通り、インターネットで情報を得るにはGoogleやYahoo!、Bingなどの検索エンジンで探します。
しかし、ダークウェブはそこで探しても見つかりません。日頃私たちが利用している単語検索によってアクセスできるサイトのことを、一般の方でも利用可能なウェブサイト、即ち「サーフェイスウェブ」と呼びます。
この名前は、一見して取り掛かりやすく、初心者でも簡単にアクセスできる表面的なウェブサイトであることを表しています。
ディープウェブとは、一般的に検索エンジンで表示されない、限られた人しかアクセスできないWebサイトのことを指します。
例えば、会員制サイトやメールサーバーなど、ログインが必要なページがある場合には、一般のインターネット利用者が検索で見つけることはできず、特定のユーザーしかたどり着けないため、このようなサイトをディープウェブと呼ぶことがあります。
つまり、表層部分に表示されるWebサイトとは異なり、一般的なインターネット利用者がアクセスできない非公開のWebサイトのことを指します。
インターネットのWebサイトは表層ウェブ、深層ウェブに分けられます。深層ウェブは検索エンジンでは見つけられない領域でダークウェブもその一部です。
また、ChromeやEdge、Firefoxなどのブラウザでも見ることはできません。専用のソフトが必要です。つまり、極めて匿名性が高く、表には存在していないのがダークウェブです。
ダークウェブは違法？
検索エンジンには探せない、入り方専用のソフトが必要と怪しい雰囲気が漂うダークウェブですが、基本は一般のWebサイトと同じですから、違法性はありません。tor browserを使用されることが多いです。
ダークウェブではないですが専用のソフトで見ることを除けば、検索エンジンで探せないWebサイトは山ほど存在しています。
企業でも社員のみなど限られた人のみが閲覧できるWebサイトを運営していることは少なくありません。匿名性であることが悪ではないのです。しかし、現実は犯罪など悪い用途に使われていることが多いです。
ダークウェブのメリット
ダークウェブにはメリットもあります。それは検閲を回避できることと、プライバシーを確保できることです。
例えば、一般のWebサイトは情報統制や検閲をかけることが可能です。中国やロシアなどではブラウザで閲覧できない情報がありますよね。ダークウェブはそれを回避し、情報を外に触れさせることができます。
匿名性であることもメリットです。ダークウェブではユーザー間でプライバシーなどの情報が漏れにくいです。ですから、様々な情報をプライバシーを漏らすことなく入手できます。
2つのメリットは犯罪者にとっても大きな味方になります。ダークウェブに限らず、何にでも光と影は存在します。使い方によって、善にも悪にも染まるのです。
ダークウェブの危険性と取引されるもの
ダークウェブにはメリットもありますが、やはり危険性は高いです。検閲を回避し、プライバシーを確保できるのは犯罪者にとってはダークウェブは都合のいい場所です。
ダークウェブを見ることは可能ですが、興味本位で触れると犯罪に巻き込まれることがあり、大変リスクが高いです。ダークウェブで取引されるものをしり、危険性を認識してください。
児童ポルノや麻薬など違法のもの
どこをどう探しても検索エンジンでは探せない違法性が高いもののほとんどが頻繁に取引されています。マニアにとっては喉から手が出るほど欲しい、児童ポルノも簡単に手に入ります。
また、麻薬の売人にとってもプライバシーを守れ、販売できる都合のいい場所です。それに吸い寄せられるように購入してしまう人も少なくありません。
児童ポルノや麻薬は所持しているだけで、逮捕されます。ダークウェブ上での取引が特に盛んなのが、ドラッグの販売です。
ドイツでは、現実的な描写がされたドラマ「ドラッグ最速ネット販売マニュアル」が大変人気があります。この作品では主人公が、支払いにビットコインを利用しているのが特徴的です。
不正に入手したクレジットカード情報や銀行口座
身に覚えのない請求が届いた、クレジットカード会社から不正利用の連絡がきたなどは体験談としてある方もいるのではないでしょうか。誰の身にもありえることです。
クレジットカードの番号はフィッシングやスキミングなどで不正に入手します。しかし、それをすぐに使ってはバレて捕まってしまう可能性があります。
そこで犯罪者が利用するのがダークウェブです。ダークウェブには不正に入手したクレジットカード情報が大量に売買されています。一旦、ダークウェブを介することで、「どこで誰が入手したのか」という情報がわからなくなります。売る方も買う方も逮捕される危険性が薄まるのですね。
特殊詐欺事件で必要不可欠ともいえるのが、不正に入手した銀行口座番号です。足がつかないように金銭のやり取りや被害者に振り込ませるためです。それも簡単に手に入ります。
犯罪に利用される個人情報
ダークウェブではクレジットカード情報と同様に個人情報も大量にかつ頻繁に売買されています。
例えば、何度も詐欺にあっている人、資産を持っている高齢者などの情報です。ec サイトのログイン情報まで売られていることも。
特殊詐欺事件ではダークウェブで売買された個人情報が利用されているケースは多いです。個人情報はどこから漏れるかはわかりません。罪の意識も少なく、売ってしまった個人情報が犯罪に利用されてしまったら、その人も罪に問われることになります。
不正プログラムやツール
近年は国や企業が様々なipアドレスでのサイバー攻撃を受けたというニュースは珍しくありません。そういった犯罪に使用する不正プログラムやツールも取引されています。
様々なサイバー攻撃だけでなく不正プログラムやツールを使用し個人情報を盗むことも少なくありません。入手された個人情報はダークウェブで売買されます。そうして犯罪の輪が広がってしまうのですね。
ダークウェブ見て酷い目にあわないためにやること
ダークウェブは利用するのも危険性が常に付きまといます。また、クレジットカード情報や個人情報を盗まれてダークウェブで取引されたら大変な目にあいます。
ダークウェブ見て酷い目にあった、酷い目にあわされた人は急増しています。どうすれば酷い目にあわないのでしょうか。
ダークウェブには近寄らない
絶対条件としてアクセスしてはいけません。ダークウェブの入り方には、専用のソフト、アプリが必要です。それらを使用しないことです。
闇バイトは巧妙にアプリをインストールさせて、ダークウェブに誘ってきます。そこでのやりとりは一切、表に出ないようになっています。こちらから近寄ってしまっては、犯罪者の思い描く通りに事が進んでしまいます。酷い目にあわないためには、近寄らないことが一番です。
怪しいリンク、広告はクリックしない
海外の怪しいサイトからのリンク、広告はクリックしないでください。自動でソフト、アプリがダウンロードしてインストールされることもあります。
また、クリックすることで不正プログラムやツールが起動し、個人情報が盗まれることがあります。フィッシング詐欺にあう可能性もありますね。
不要なサービスには入らない、解約する
利用しないサービスのアカウントから個人情報が盗まれることは頻繁にあります。クレジットカード情報も同様です。
やっかいなのは利用していないサービスからだと盗まれたことに気付きにくいことです。情報漏洩を防ぐためにも不要なサービスには入らない、解約するようにしましょう。どこで情報が洩れるかはわかりません。
無料であっても、要らないアプリは極力スマホに入れないことも大切です。
闇社会に興味を持たない
麻薬の売人は「麻薬に興味がありそうな人」の匂いをかぎ分けて話かけてくるそうです。つまり、興味を持った人は吸い寄せられるように、麻薬に近づいてしまうのですね。
闇社会や闇バイト、ダークウェブも似ているところがあります。興味を持っていると、自然とそちらに近づいてしまいます。
ですから、明らかに怪しい高額バイトなどには興味を持たないようにしてください。
ダークウェブを見て酷い目にあった？ | 危険性と入り方の真相に迫る【まとめ】
ダークウェブは、秘匿性が高く使う人によってメリット、デメリットが存在します。しかし、一般の人にとっては危険性が高いのは間違いありません。
興味本位で近づいて、犯罪に手を染めることになり、一生を棒に振ることにもなりかねません。
また、被害者になり酷い目にあうことだってあります。特殊詐欺の被害額は1日約1億円もあります。
その加害者、被害者にならないよう、ダークウェブには近づかないようにしてください。